『ロブスター』ネタバレ!感想と評価も

映画『ロブスター』のあらすじネタバレと感想や評価をまとめました!

以下、あらすじやネタバレが含まれる記事となりますので、まずは映画『ロブスター』作品情報をどうぞ!

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映画『ロブスター』作品情報

原題

The Lobster

公開

2015年(ギリシャ/フランス/アイルランド/オランダ/イギリス)

監督

ヨルゴス・ランティモス

キャスト

コリン・ファレル(デヴィッド)、レイチェル・ワイズ(近視の女)、レア・セドゥ(独身者のリーダー)ベン・ウィショー(脚の悪い男)、オリビア・コールマン(施設のマネージャー)

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映画『ロブスター』あらすじとネタバレ

第一の逃亡

妻と離婚して独りになったデヴィッドは、ペットの犬を連れ、都会から離れたホテルのような施設に拘束されます。この世界では「独身者」でいることが罪なのでした。

ここでのルールは、45日以内に誰か相手を見つけてカップルになること。45日以内にカップルになれなければ、罰として動物に変えられてしまうのです。どんな動物になりたいかと問われたデヴィッドは、「ロブスター」と答えます。

近くの森には、施設から脱走した独身者達が集団で暮らしていました。彼らを麻酔矢で撃ち捕獲することを「狩り」といい、狩りを命じられたデヴィッド達は、独身者を一人捕獲するごとに一日、滞在の延長が許されるのです。

この世界では、カップルの間に何らかの共通点がなければ成立しません。ある男は、鼻血をよく出す女とカップルになるため、わざと鼻を打ちつけて鼻血を出しながら女に接近。女は警戒心を解き、二人は晴れてカップルとなりました。

カップル成立後は監視つきで数週間生活し、その後ようやく一般社会へと戻されます。鼻血を出す女はカップルになれましたが、彼女の親友は相手を見つけることができないまま45日が過ぎてしまい、その後、ポニーに姿を変えられました。

デヴィッドは、ある冷酷な女とカップルになります。同じ部屋で生活していると、女が彼のペットの犬を蹴り、命を奪います。犬はデヴィッドの兄でした。デヴィッドと女が争っているところをなぜか給仕係の女が助けに入り、デヴィッドは独身者の森へ逃げ込みます。

第二の逃亡

独身者のリーダーの女がデヴィッドを迎えます。ここでは恋愛もダンスも禁止です。リーダーは、街に住む自分の両親に会いに行くため、自分と男、そしてデヴィッドと近視の女という二組の擬似夫婦を作り、4人で街へ繰り出します。

リーダーの両親は、娘が結婚して幸せだと思い込んでいます。両親との再会を終えると、4人は都会でほんのひととき人間らしい時間を楽しみ、再び森へと戻りました。

施設の人間に復讐することを思いついたリーダーは、デヴィッド達を連れて施設に侵入します。デヴィッドは鼻血のカップルのいるヨットへ行き、男の鼻血は嘘だとばらしますが、その事実を信じようとしない鼻血の女に帰れと追い返されてしまいます。

デヴィッドは、近視の女と次第に親しくなっていきます。二人は自分達だけにわかるサインを作り、秘密の会話をするようになります。それに気づいたリーダーは、近視の治療をしてやると言って女を連れ出し、街の眼科まで連れて行きます。

近視の治療というのは嘘で、女は手術によって視力を奪われます。森に戻った女を見たデヴィッドはショックを受けますが、二人で森を抜け出そうと決心。リーダーを襲い、土を掘った穴に放置した後、女を連れて森から逃げ出します。

街にたどり着き、食堂に入る二人。彼らに必要なものは、カップルになるための共通点です。デヴィッドは手にフォークを持ち、一人でトイレへと向かいます。女は、デヴィッドが自分と同じように光を失って戻ってくるのを、座って静かに待つのでした。

『ロブスター』の感想と評価

近未来。著しい婚姻率の低下か、それとも少子化社会の末路か。明確な原因が説明されないまま、独身=社会不適合者という認識下の管理社会で物語は展開します。

施設に入れられたデヴィッド。拷問でもされるのかと思えば、敷地内にはプール、ゴルフ場、ジャグジーなど、出会いの場に最適なスペースが完備。夜にはダンスパーティまで開催されて、まるで至れり尽くせりの集団お見合いのようです。

しかし、なぜか空気はよどんでいます。彼らの表情に浮かぶのは、動物にされるかもしれない恐怖感と、人とつながるには共通点がなければいけないという強迫観念、そしてなんともいえない寂寥感です。

一方、社会システムに反発して森に潜伏する独身者達は、恋愛禁止!孤独に生きるべし!と、これまた恐ろしいほどの両極端。どちらの世界にも希望を見い出せず、大切な女性を連れて逃亡を図ったデヴィッドに人間らしさを感じて「幸せになってほしい」と思ったものの、それだけでは終わりませんでした。

共通点あってこその人のつながりという、時代の固定観念に毒されていた二人。そして、デヴィッドがとった恐ろしい選択。彼がいつロブスターにされるのかと心配でしたが、想像を超えた不条理な結末に冷たいものが走りました。

それでも、デヴィッドが狂っていると思えません。いつの時代も、狂っているのは人ではなく社会ではないかと、追い詰められた二人の心もとない姿に感じます。

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まとめ

『籠の中の乙女』(2009)で注目を浴びた、ギリシャのヨルゴス・ランティモス監督の初の英語作品。第68回カンヌ国際映画祭で審査員賞を受賞しています。

一瞬、ケヴィン・クラインが若返ったのかと思いました、主演のコリン・ファレル。
ゆるんだ体型と、つねに曖昧で不安げな表情。従来のイメージを裏切り、さらに最新作『ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅』ともまるで別人。見事な中年の哀愁にぐっときます。レイチェル・ワイズ、レア・セドゥの二大ヒロインも、ほとんど笑顔を見せない徹底したクール・ビューティーぶり。しびれました。

胸騒ぎを覚える音楽、どこまでも奇妙な登場人物達の振る舞い、そして、笑っていいのかどうなのかという居心地の悪い“間”が、なんとも不思議な余韻を残します。一度見て呆気にとられても、二度見たら「うーんそういうことか」と味がしみ出す、スルメのように噛みごたえある作品です。

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