『アズミ・ハルコは行方不明』ネタバレ!感想と評価も

映画『アズミ・ハルコは行方不明』のあらすじネタバレと感想や評価をまとめました!

以下、あらすじやネタバレが含まれる記事となりますので、まずは『アズミ・ハルコは行方不明』映画作品情報をどうぞ!

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映画『アズミ・ハルコは行方不明』作品情報

公開

2016年(日本)

監督

松居大悟

キャスト

蒼井優、高畑充希、太賀、葉山奨之、石崎ひゅーい、菊池亜希子、山田真歩、花影香音、柳憂怜、国広富之、加瀬亮

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映画『アズミ・ハルコは行方不明』あらすじとネタバレ

春子の日々(1)

安曇春子は27歳。両親と、認知症の祖母と一緒にとある地方都市で暮しています。

幼馴染の杉崎ひとみの結婚式の二次会で、春子はプロ野球選手と結婚したけれどすぐに別れたという今井えりの話に耳を傾けます。恋人もいない春子はまだ当分結婚の予定はありません。

春子が勤める会社は社員が四人しかおらず、社長と専務は毎日のように37歳の先輩女性社員にセクハラまがいのいやがらせをしています。

せっかくの休日もテレビを観て過ごす春子。母親にトイレットペーパーを買ってくるようにせかされてやってきたスーパーで同級生の曽我雄二とばったリ出会います。

愛菜の日々(1)

晴れ着姿で成人式の会場にやってきた愛菜は富樫ユキオと再会し、付き合いはじめます。ユキオの誕生日プレゼントを買いにビデオ店にやってきた二人は、そこでバイトしていた中学の同級生の三橋学と再会します。

愛菜からプレゼントされたビデオに登場するバンクシーのグラフィックアートに影響を受け、ユキオは学とともにスプレー缶を持って、街の柱や壁に落書きをはじめます。学が思わぬ才能を発揮し、彼らは行為に没頭します。

二人は交番に貼られたたずね人のポスターをモチーフに、顔写真に「MISSING」という文字を加えたグラフィティを街中に拡散し、SNSで話題になります。そのたずね人とは安曇春子でした。

愛菜も仲間に加わり、アーティスト気分の彼らの行為は益々過激になっていきます。

春子の日々(2)

ある夜、春子が車で帰宅途中、車にぶつかってきた男性とそれを追いかける女子高生の集団に遭遇します。あとを追いかけた春子は暴行を受けて倒れている男性を発見、駆け寄るとそれは曽我でした。

春子は曽我を家まで送り、流れで身体を重ねます。なんとなくいい雰囲気になる二人。

会社の先輩がフランス人と結婚することになり退職、社長たちのセクハラ、パワハラの対象は春子に移ります。

春子がコンビニに行くと昔の同級生に声をかけられます。彼によると、曽我が杉崎ひとみと付き合っているらしいのです。ひとみは結婚したばかりですし、曽我は自分と付き合っていたのでは? 春子は動揺します。

街で曽我をみかけた春子は思わずつめより、好きだと伝えますが、冷たくあしらわれてしまいます。

春子は母親からまたトイレットペーパーを買ってくるように言われます。車で夜の道を進む春子。車を止め、降りるとタバコに火をつけます。それ以来春子はぷっつり姿を消してしまいます。

愛菜の日々(2)

愛菜たちは、交番に貼られたポスターを見て、落書き犯として追われていることを知ります。ユキオは怖くなり、自分は抜けるからと走り去ってしまいます。

愛菜は学と寝ますが、ユキオが愛菜は誰とでも寝る女だからお願いしてみれば、と言ったことを知り激怒します。ユキオにラインし連絡を取ろうとしますが、既読無視されてしまいます。

そのころ、女子高生の集団が男性を襲う暴行事件が多発していました。

気持ちが治まらない愛菜は学を車に乗せてユキオが待っているというファミレスにやってきます。

学が車を降りた途端、女子高生の集団が現れ、学は殴る蹴るの暴行を受けます。驚いた愛菜は激しくクラクションを鳴らします。

警官が停まったままの車に負傷した学がいるのを発見します。車の中に、グラフィックのスプレーがあるのを知られてしまいますが、逮捕されることもなく事なきを得ます。

回復した学のところにアートフェスティバルの指導の依頼がきます。ある遊園地の一角に、安曇春子のグラフィティをはじめ、さまざまな顔に「MISSING」と書かれたポスターが飾られることに。そこにやってきたユキオは、また二人で活動を始めようと学に持ちかけ、二人はオープニングイベントのパーティーに出席してアーティストを気取ります。

しかし、オープンした初日からその一角を訪れる人はほとんどなく、がっかりしたユキオは癇癪を起こしてしまいます。

ユキオと学を取材した広報ポスターを偶然観た愛菜は、会場にやってくると怒りにまかせて展示物を破壊してしまいます。

女子高生ギャング団の日々

ある映画の上映にやってきた女子高生の集団は女性が男性を撃ち殺していくアニメーションに熱狂しています。しかし、そのころ、映画館はパトカーに取り囲まれていました。上映が終わり映画館から出てくる彼女たちに向かって警官たちは一斉に拳銃をかまえます。

リーダーの少女は一瞬もひるまず、手で警官に発泡する真似をすると、なぜだか警官の足はすくんでしまいます。女子高生たちは悠然と去っていきます。

春子と愛菜

愛菜は職場の知人である今井えりと会う約束をしていました。えりのそばには一人の女性が立っていて、女の子を抱いています。女性は、にこやかに「はじめまして」と言います。その女性こそ安曇春子でした。愛菜は目を大きく見開いて「はじめまして」と応えるのでした。

『アズミ・ハルコは行方不明』の感想と評価

山内マリコの同名小説を映画化する際、原作に描かれたエピソードをシャッフルして再構築するという大胆なアレンジが施されました。

そこから見えてくるのは、地方都市で暮らす女性たちの鬱憤のようなものです。どんな場所に行っても昔の同級生にばったり会うような環境が、狭い人間関係と、過去から逃れられない息苦しさを象徴しています。そこには新しい出逢いもなければ、新しい世界も見えてきません。

しかも彼女たちの周辺に漂うのは、男性=社会が持つ女性軽視です。会社の社長が示すような露骨なものから無意識下のものまで、多少コミカルに誇張されていますが、それは確実に画面に刻まれています。

そんな中で春子は無気力になり、愛菜は恋愛にひたすら依存するしかありません。

ですが、本作は、現状を憂うだけでなく、打破しようという試みこそを描いているのです。一つは女子高生ギャング団というテロリズム。もうひとつが「失踪のすすめ」ともいえる安曇春子の方法です。前者は強さを、後者は勇気を表しています。

あくまでも軽やかでポップなスタイルを貫きながら女性へのエールとなっているのです。

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まとめ

松居大悟監督は前作『私たちのハァハァ』で、好きなバンドのツアーファイナルである東京公演を観るため、無鉄砲に九州を飛び出す女子高生を描いていました。そこには失敗や仲違いをしながらも「どこまでも行けてしまいそうな私たち」の姿がありました。『アズミハルコは行方不明』も同じく女性の可能性を描いた作品だといえます。

ラストシーンの蒼井優の笑顔はとびっきり晴れやかで、それに引き込まれていく高畑充希の表情もきらきらしています。観てスカッとする快作に仕上がっています。

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